MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE

登録有形文化財でもある「九段ハウス」として知られる旧山口萬吉邸は、1927年に建てられたスパニッシュ様式の名建築。この美しい邸宅でマルタン・マルジェラの日本初個展を観ることができると知って早々にチケットを予約したのが2月初旬。指折り数えて待ちに待った日をようやく迎え、出かけてきました。マルタンがマルジェラのデザイナーを引退したのが2008年。永いブランクを経て2021年に現代美術の舞台で活動を再開、今回の個展はパリ、中国、韓国などでも開催されてきたもので、日本では初めての公開です。

コラージュ、絵画、デッサン、彫刻、アサンブラージュ、映像など多様な表現を用いた作品が一堂に。展示構成、キュレーションは全てマルタン本人によるものです。

以前、フリッツ・ハンセンの展示を観に訪れたことのあった九段ハウス。建物の内部も外観もお庭も全てが美しい邸宅で、どんな相乗効果が体験できるのだろうと興味津々で出かけたのですが、そこはやはりマルタン、笑。期待は見事に裏切られ、内部の床には養生シートが貼られ、壁や照明などには薄衣が掛けられ、ワークインプログレススタイルに徹していました。作品に貫かれているのはデザイナー時代からの一貫した流れである「不在」「身体」「時間経過」といったテーマが脈々と受け継がれ、主体と客体のパラドックスを感じさせる意思のようなものも健在で、現代美術アーティストになっても「マルタンは変わっていなかった」です。

ミュージアムショップで展覧会カタログを買い求め、満足して九段ハウスを後にします。自宅に帰ってじっくり見返したカタログの内容は、会場よりも親切な解説がマルタンにより添えられており、日本では観ることのできなかった作品も掲載されいてボリューム含め、とても見応えがありました。

マルタンの個展、生きてるうちにあと何回観ることができるかなー。

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