記憶が少し曖昧なのですが、確か養老孟司先生が好みの菓子として、とあるインタビューでお話しになっていたのが、このお菓子を知ったきっかけだったと思います。栗菓子好きとしては俄然気になり、秋の販売開始になるのを待って百貨店に出かけて行ったのはもう何年も前のこと。
見た目は羊羹のようですが、全然違います。過剰な甘みはなく、栗本来のほくほく感を活かした蒸し栗のような味わいです。ねっとり感もなく、ほろほろと崩れる感じは栗そのものを食しているかのよう。「栗のおいしさをそのままお菓子にできないだろうか」と、たねやが何年もかけて試行錯誤の上、ようやく出来上がった季節菓子だそうです。この季節の定番和菓子、栗きんとんや栗蒸し羊羹に比べて賞味期限が長いことや、販売期間も毎年９月頃から年明けくらいまでと長いので、この時季のお遣いものにも重宝します。もちろん、自分用に毎年真っ先に買いに行くのですけどね。美味しくておすすめの栗菓子を人から聞かれた時にも、たねやなら、だいたい主要な百貨店で買えることが多いので、どちらにお住まいの方にもおすすめしやすいです。栗好きで未食の方には全力でおすすめしたい、逸品です。
