京都・堀川五条近くの住宅街の角っこにひっそりと建つ「菓子屋のな」。アンデルセンの小説「即興詩人」に着想を得た文学和菓子「アントニオとララ」がインスタ界隈では大変人気のようです。あんこ玉にハーブやエディブルフラワーをあしらっていて和菓子の概念を覆す見た目で人気なのも納得です。私はこちらの季節の生菓子のファンで、初めての出会いは秋の季節菓子「亜麻栗」でした。栗きんとんのお菓子なのですが、「のな」らしく捻りが効いています。栗とカシス餡の絞りに中にはマカダミアナッツと小豆こし餡を包んでいます。栗とカシス、最初にこの組み合わせを考えた人は天才だと思う。脇役のナッツもいい仕事をしています。秋の定番商品なので、毎年秋になると楽しみにしているのですが、今年は初めて「のな」の栗蒸し羊羹を買ってみました。というか「栗万寿」という商品名なので、てっきりお饅頭だと思って予約したら、まさかの棹物の栗蒸し羊羹でした、笑。
生栗から丁寧に仕込んだ渋皮煮は甘みを抑えて洋酒で風味をつけて、羊羹生地は毎年改良を重ね続けているそうです。「のな」は和菓子の要素にプラスするフルーツや洋酒使いがとてもセンス良しなのが特長です。今年は栗を更に詰め込み重量を増やしたバージョンで栗好きには嬉しい限り。確かにどこを切ってもゴロゴロ大粒の栗が出てきます。甘さ控えめ、いくらでも食べられる、「のな」らしい栗蒸し羊羹でした。季節ごとに具が変わる「あんバターチャバタ」も今の季節は栗あんです。栗好きの方はぜひどうぞ。