乃木坂の国立新美術館へ李禹煥展を観に行ってきました。今年、いちばん心待ちにしていた展覧会です。
音声ガイドは、女優の中谷美紀さん。QRコードをスマホで読み取れば、すぐにガイドの再生ページが表示される。アプリのダウンロードも必要ない。この方法はいいね。
作家自身が会場構成したという展示は、彫刻から始まり絵画へと続く。李禹煥の絵画はいつもながら、本当に素晴らしい。余白とストロークが生み出す静謐でミニマルな美しさ。圧巻。
あるアートディレクターさんが言っていた。デザインの作業中、マウスを動かしながら配置を考えていると「あ、ここだな」と確信する位置がある、と。それはもう、1ミリのズレも許されない、そこ以外には考えられない位置なのだそうだ。そしてその「収まるべき場所」に収まった画面を見るのは清々しいくらい気持ちがいい、と。
展覧会の最後の作品「対話」の前に立って、その言葉を思い出していた。
李禹煥の彫刻作品は、できれば屋内ではなくイサム・ノグチ庭園美術館のような屋外美術館で見てみたいと思っていたら、同じ香川県の直島に安藤忠雄設計の李禹煥美術館があるという。海と山に囲まれた谷間に自然と建物と作品が呼応するように造られた美術館で屋外展示も存分に楽しめる。いつか行ってみたい。