熊谷峻さんのガラスの花器

ガラス作家、熊谷峻さんがつくる作品は、古物のようなローマングラスのような独特の味わいがあります。鋳造技法という技法でつくられていて、石膏の型に熱したガラスの液体を流し込む際に土や金属などの異素材を混ぜて鋳込み、冷やし固めます。混ぜ込んだ土や金属によって完成後のガラスに独特の表情が出るのです。さらに光によってさまざまに見え方が変わる作品は、暗い環境ではまるで土器のような表情にもなるので、それがガラスと気付かない人もいるほどです。

我が家のこの花器も、朝、自然光に照らされている時と、夜の室内の黄色みのある柔らかな光量の下で見るのとでは、同じものとは思えないほど違った表情を見せます。花を生けるのもよいかもしれませんが、どちらかというと花器そのものの姿を時間による変化で楽しみたい、そんな作品です。

私は朝の陽の光を浴びた姿が特に好きです。窓際に置いて、刻々と光によって表情が変わるのを何とはなしに眺めているのが日々の楽しみです。

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