きっかけは、とあるインスタで紹介されていた茄子のレシピ。塩を振って焼いたら、みりんで炒め煮して仕上げるだけ。みそ味や甘辛醤油味以外にさっぱり食べられそうでいいかもと早速作ってみました。味はだいたい想像つくし、きっと美味しいはず。そう思って口に運んだところ、、、全然美味しくない。他に調味料は塩しか使っていないので、原因はみりん? 一応ね、スーパーで「みりん風調味料」ではなく「本みりん」と書かれたものをいつも買っていたんです。今までみりんだけで味見したことはなかったけど、煮物を作っても十分美味しくできていたし、何の問題もないと思っていたのに。
シンプルにみりんを味わうレシピで料理した結果、「今まで、こんなにまずいみりんを使っていたのか」と初めて気づきました。容器の裏を返して成分表示を確認すると、
原材料名:もち米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール(国内製造)、糖類(国内製造)
意外なことに塩は入っていませんでした。大手メーカーの定番商品でアルコール分が12.5度以上13度未満。ですが、お酒のコーナーではなく調味料の棚にあり「本みりん」と書かれていますが値段もそれなりにリーズナブルな価格です。うーむ。糖類が気になるけどそんなに問題があるような原材料には思えないけど。
でも、気になりだしたので、昔ながらの伝統的な製法のみりんとは何が違うのだろうと色々調べてみました。みりんの原料は、もち米、米麹、焼酎(または醸造アルコール)。蒸したもち米と米麹、焼酎を仕込むと麹のアミラーゼによってでんぷんが糖に分解されます。そして圧搾した液体をさらに長期熟成させるのが伝統的な本格みりんの製造法で、自然な甘みとコクがあり、そのまま飲んでも美味しいそうです。ですが現在の酒税上で定める本みりんの定義では、政令で定める副原料というものが認められていて、とうもろこし、ぶどう糖、水飴等で白米の2倍まで使用できるそうです。結構、水増しできますね。。さらに驚いたのは、みりんは使用原料の多い順に表記する決まりがないのだそうで、ということは、糖類が末尾にあるから少量とは限らないそうなんです。本みりんといってもさまざまなんですね。他にも熟成にかける時間や焼酎ベースか醸造アルコールベースかでも甘みやコクなどの味わいが変わるそう。
少々お高いけど、昔ながらの本格みりんの味が知りたくなって、近所の自然食品のショップやコープをまわって、冨永愛さんも飲んでいるという、角谷文治郎商店の「三州 三河みりん」を買ってみました。それとオーサワの「発酵酒みりん」を。こちらは食塩が入っていて、酒税の分だけ少しお安いのでお料理用に。三河みりんの原材料は、もち米、米こうじ、本格焼酎のみ。副原料等の添加物はありませんでした。今まで買っていたものよりかなり濃い褐色をしています。これが長期熟成の証でしょうか。商品棚には「これはお酒です」との表示がありました。家に帰って早速、試飲。たしかに甘いリキュールのよう。これを煮切ってお菓子作りに使うというのも納得です。ただ、そのまま飲むのはやはり少々飲みにくいので、飲み方を調べてみたところ、すだちやシークァーサーなどの柑橘を絞ってソーダで割る飲み方が紹介されていたので試してみました。美味しい! 砂糖やシロップなど加えなくても十分な甘さがあります。それに夏バテ気味の体にとても効くのです。一度、炎天下のイベントに参加して、へとへとになって帰ってきた家族にみりんのソーダ割りを出したら翌朝、驚くほど体調が回復したと言ってスッキリした様子で会社に行きました。みりんは疲労回復にも効果があるの?と半信半疑で調べてみたら、みりんに含まれるアミノ酸が疲労回復や代謝促進などの効果があり、非常に身体に良いそうな。なんと養命酒の原酒には本みりんが使われていたこともわかりました。養命酒製造の会社からもその本みりんが販売されています。これからは栄養ドリンク代わりにみりんを飲もうと思います。
みりんって、奥が深すぎる。