ホテルの朝食はつけない派です。なぜなら外にいくらでも魅力的な朝食があるから。ですが京都の朝。スパイスカレーでモーニング、は、ちょっと重た過ぎる。普段なら私も間違いなくそう反応します。老舗のパン食なら「進々堂」や「イノダコーヒ」が、ご飯なら「朝食 喜心」や「丹」、最近の新顔、レバノン料理の「汽 ki: 」などいくらでも名店があるのに、です。だけど、ここSPICE GATEは、ちょっと事情が違います。
四条河原町から南へ下った寺町通沿い、雑居ビルの螺旋階段を上がった先に、SPICE GATEがあります。朝7時半から営業。モーニングのメニューもカレー1択です。3種類あるモーニングのメニューの中から、私は「カレーリーフ香る魚介出汁カレー」を選びました。上の写真は同行者オーダーの「さばとみょうがの出汁カレー」。店内には朝からスパイスの香りと出汁の香りがいい感じに充満しています。
SPICE GATEの京風スパイス朝定食は、祇園北川半兵衛の煎茶で炊いたバスマティライスの鶏キーマカレー。ライスを囲む副菜は、「大根とカシミールチリの千枚漬け」や、「青菜のインド風お浸し」「アサリとメースの佃煮」といった、ほんのりスパイスと和のテイストがいい塩梅で融合しています。これに別添えの出汁カレーをかけていただくのですが、カレーというかスパイスの利いたお出汁という感じ。確かにカレーなんだけど、喉越しはもはやお茶漬けです。煎茶で炊いたバスマティライスの軽さも相俟って、スルスル入ります。朝ご飯どころか二日酔いの朝でも難なく胃に収まりそうな軽さです。かといって薄味なわけでもなく、出汁とライスと副菜の重層的な味わいに奥行きと満足感があり、強過ぎないスパイスがいい仕事をしています。京都の底力を感じる朝食でした。
ところで、SPICE GATE と聞いて、ピンときた方は、かなりのスパイスカレー好きかと。そう、烏丸にある行列のできるビリヤニ専門店、INDIA GATEの姉妹店です。京都へ行かれるカレー好きの方にはぜひ2店とも制覇をお勧めします。