どんなお料理にも馴染む、使い勝手が良すぎる久保田由貴さんの器

特に意識して買い集めていた、というわけではないのだけど、気がつけば知らぬ間に数が増えていた久保田由貴さんのうつわ。和洋どんなお料理を盛っても絶妙にキマる懐の深さに、ついつい手が伸びてしまい我が家の食卓での登場頻度がとても高いテーブルウェアです。和食でもイタリアンでもフレンチでも中華・エスニックでも「無難に」ではなく、スタイリッシュに料理を底上げしてくれる守備範囲の広さに驚くやら感心するやら。「さすがにこれは合わないかな…」と思うような食材も試しに器の上に置いてみると想像の上をいくモダンな雰囲気を纏って馴染みます。拙い私の手料理でも一気に洗練されて見える有り難さといったらありません。

久保田由貴さんは、鈴木稔氏や額賀章夫氏に師事したのち栃木県益子で築窯独立した陶芸家の方。益子の土を使い、素朴かつ骨太なフォルムに独自に調合された釉薬の流れから生み出される繊細で豊かな表情が独特の世界観を醸成します。釉薬の表情が明るく出ると健康的に、暗めに出るとグッと渋さを漂わせ、そのレンジの広さがどんなお料理も受け止める懐の深さに繋がっているのかもしれません。

久保田さんの作品に最初に出会ったのは、まだオープン間もない頃の清澄白河のtenというセレクトショップ。平皿と浅鉢の間くらいの少し立ち上がりのある大ぶりな八寸皿。これが本当に使いやすかった。ほんの少しついた角度のおかげで、お料理を盛りやすく、お箸でも扱いやすく、スプーンでサーブもしやすい。すっかり気に入ってしまいました。それから程なくして益子のpejiteで出会ったのが背の高いカップ。これはもっぱらお湯割りに愛用しています。あ、ビールでも合いますよ。その後もあちらこちらで出会うたびに手に取って気がついたら、結構増えていました。たぶん、これからも増えていきそうな…そんな予感がします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA