いたぎ家はご兄弟で営む三宮の人気居酒屋。こちらのお店は水曜から土曜の4日間しかお店を開けていません。なぜなら残りの3日間は和歌山・龍神村で畑仕事をされているから。おかげで採れたての新鮮な無農薬野菜をふんだんに使ったお料理をお腹いっぱい堪能できます。自分たちで手をかけて育てた無農薬野菜を成長によって調理法を変え、その時々のお野菜の状態によって最適な形で味わえるよう工夫してメニューを考えているそう。もちろんお肉やお魚もあって、それもハイレベルに美味しいのですが、やっぱりここは野菜がご馳走だと感じます。知っている(はずの)お野菜も段違いに味が違うのです。素材が良いのか、調理法が良いのか、、、左上の写真の酢豚を見てもわかる通り、どう見ても豚肉よりもピーマンが主役です。お肉も抜群に柔らかくて本当に美味しいのですが、その何倍もの大きさのピーマンを切らずに丸ごとじっくりと焼き、十分に甘みを引き出してから酢豚に仕上げています。こちらに合わせて出して戴いたジョージアのオレンジワインもベストマッチでした。他にもたくさんのメニューをいただいたのですが、ご兄弟のお話が面白すぎて写真を撮り忘れました、涙。初めて行かれる方は「定番の前菜10種盛り」からまずオーダーしてください。
締めに頼んだイサキの土鍋ご飯は、茗荷がとてもいい仕事をしていました。口に運んで初めて分かるのですが、茗荷にはほんのり酸味があります。それが絶妙にイサキの味を引き立てます。聞くと、下味をつけた茗荷とご飯は一緒に炊き込まず、炊き上がってから混ぜ込んで香りを殺さないようにしているとのこと。締めに辿り着くまでに結構食べていたので、土鍋ご飯が来た時は、少し食べて残りはおにぎりで持ち帰りかなと思っていたのですが、美味しすぎて完食してしまいました。
いたぎ家では滋賀県の日本酒が推しのようですが、日本酒以外のお酒もこだわりのラインナップ。自家製のお野菜や果物を使ったオリジナルの果実酒やサワー、国産ウイスキーに限定したハイボール、マニアックなワイン、どれもいたぎ家らしいこだわりの目利きで、美味しい&身体にやさしいセレクトがされています。神戸に行くたびごとにお邪魔したい、楽しくて美味しい良店です。