

2月の三連休、流氷を見に知床・ウトロへ。半年以上前から計画し、楽しみにしていた旅です。きっかけは、4年前に夏の知床へトレッキング目的で訪れた際、宿泊した「北こぶし知床 ホテル&リゾート」。オホーツク海に面したロケーションで館内から流氷が見渡すことができるホテルとして知られていたのですが、ちょうど私たちが泊まった年はホテルの最上階にある温泉、展望大浴場を改装して大きな窓が自慢のサウナが新設されたタイミングでした。そのサウナの触れ込みが「冬は眼下に流氷を眺めながら入れるサウナ」。なかなか威力のある殺し文句です、笑。で、その殺し文句にすっかりやられて、やって来たというわけです。
前日泊まった中標津からレンタカーで知床へ向かい、半島近くの海沿いの道路に出た瞬間、息を飲む景色が眼前に広がります。青い海に白い氷がプカプカ浮かんでいる様をなんとなく想像していたのですが、そこに広がっていたのは予想を遥かに超える光景でした。岸から遠く水平線までびっしりと覆い尽くされた氷の原野。壮大過ぎるスケールです。途中のパーキングスペースに車を停めて早速撮影タイム。通り過ぎる車が戻ってきては、車を停めてみなさん撮影に勤しんでおられます。今年は流氷の接岸が遅く、早ければ1月後半から見られる年もあるそうですが、2月の半ばを過ぎても流氷は知床にはまだ到着していない様子。流氷速報を毎日チェックしながら気を揉んでいたのですが、ようやく19日に流氷確認の速報が。本当に物凄くベストなタイミングで来れたことに感謝しました。ホテルは7月早々にシービューのお部屋を予約していたので、お部屋の大きな窓からもオホーツク海が一望で流氷が見渡せます。お部屋でまったり見ていたいところでしたが、明るいうちに大浴場へ行かねばなりません、笑。何しろ念願のサウナから流氷を見るために来たのですから。知床ではドライスーツで流氷の上を歩くツアーなども開催されていますが、私は寒さに弱いヘタレなので、温泉でぬくぬくしながら流氷を眺めます。至福。来てよかった。温泉とサウナでほかほかに温まったあとは、夕食です。普通のレストランもあるのですが、北こぶしはビュッフェの評判が良いので、ビュッフェのプランに。夕食、朝食とも北海道の特産が満載のライブキッチンスタイルで、一部の前菜などのメニューや飲み物は事前に用意されていますが、注文を聞いてから調理するオーダー式のブッフェで作りたてのお料理が楽しめるという、ほぼプリフィクス形式のディナーのような食事が味わえます。しかも食べ放題で。スイーツも目の前で仕上げてくれてレベル高し。ビュッフェというとファミリーレストラン的なものを想像してしまいますが、北こぶしは雰囲気もお料理のレベルも大人のホテルという感じで上質です。さらに宿泊客なら自由にアクセスできるロビー階のラウンジも広々していて24時間営業と使い勝手良し。1泊だけでしたが大満足の滞在でした。
知床の前日はいつもの中標津に滞在していました。道東へ行くときは必ず立ち寄るレストラン、フェネトレ。いつも通りグジェールから始まるコース。今回は知床鶏のムースが合わせてあり、自家製のシャインマスカットのレーズンの濃厚な甘味と香りがムースを引き立てます。思わず目を閉じて味わってしまう。「そう、これこれ」と心の中で呟く。コースのなかでも出色だったのは、羅臼のニシンと八朔とウドの一皿。自家製ソーヴィニヨンブランのビネガーで締めたニシンと八朔とウドを合わせ、ウドのソルベを上からかけたもの。マスタードシードとビネガーの酸味と八朔のほのかな苦味、ウドの食感が絶妙のマリアージュでした。今回で4回目の訪問。全く飽きることなく、また伺いたいと思わせてくれる稀有なレストランです。



中標津でもう一つ、必ず立ち寄るのがRANGE LIFEというセレクトショップ。いつもフレンドリーなオーナーは確かな知識と作り手への愛情が溢れるトークで、毎回ついつい何かしら買ってしまいます。今回はお洋服の他に、タイミングよく入荷したばかりの美幌町の「喫茶室 豆灯」のコーヒー豆を運良く購入することができました。お友達へのお土産に2つゲット。フェネトレとRANGE LIFE、大好きな場所2つをセットで中標津詣ではこれからもまだまだ続きそうです。
以前のフェネトレの記事はこちら↓