11月の三連休、以前から気になっていた「SOWER」に行ってきました。nomaが東京に開いたレストラン「INUA」にてスーシェフを務めたコールマン・グリフィン氏のもとに国内外から精鋭のスタッフが集ったガストロノミー。滋賀県と言えば「鮒ずし」に代表される発酵料理が思い浮かびますが、この地独自の発酵や醸造などの食文化を織り交ぜながら地産地消の食材を供してくれる魅力的なレストラン。
SOWER(ソウアー)とは種を蒔く人という意味らしい。食に根付いたさまざまな種をこの地に蒔きたいとの思いから名付けられた店名の通り、食材をはじめ、県内のお酒やお茶などのドリンク類、焼き物や木工の器の数々、カトラリー、刃物などの食にまつわるさまざまなクラフトとその協力者が一覧できるリーフレットがそれぞれの席にあらかじめセットされており、それらを見ながら食事をするのもまた一興。
予約時間に伺うと、店内は満席。活気があり、外国人スタッフが多いお店に特徴的なフレンドリーな空気感が清々しい。いいね。日本のレストランの丁寧な礼儀正しさも良いけれど、肩肘張らずに食やお酒にまつわる会話をスタッフと楽しめるオーガニックなフレンドリーさは、消化にもいい気がする、笑。
コースは全10品。せっかくなのでペアリングでお願いした。お料理はもちろん大満足ですが、特にウェルカムドリンクの蜂蜜を発酵させてつくる国内初のクラフトミード(野洲市、ANTELOPE)と、メインの松の葉で燻製した鹿肉に合わせて出された赤ワインが素晴らしかったな。スペイン、カタルーニャ地方のナチュラルワインで、nomaでも常時オンリストだったワインだという。他にも滋賀県産の日本酒もたびたび趣向を変えて登場し、滋賀のお酒は結構知っているつもりでいたけれど、どれも知らないものばかりで、日本酒は奥が深いと改めて思った次第。結構食べたし、飲んだのだけど、翌日不思議と身体が軽かったのには驚いた。美味しくて、楽しくて、身体にもいい、文句なく素晴らしい夜でした。
ごちそうさまでした、感謝。