南新宿の住宅街、完全に民家の普通の玄関ドアに小さーく、TYONと書かれたプレートが貼られている。あらかじめ「かなり分かりにくい」「外観は普通の民家」という事前情報がなければほぼ通り過ぎてしまう佇まい。念のためチャイムを押すも応答はない、笑。恐る恐るドアを開けると普通に開いた。中は別世界。洒脱だけど落ち着く空間が広がっていた。予約の名を告げるとワンオペで忙しそうな店主さんが、テーブルに案内してくれて色々説明をしてくださる。
ひととおりメニューの説明も受けてアドバイスに従って2人で食べるのにちょうど良いボリュームと材料の被りのないメニューをオーダー、ナチュールワインは何本かお持ちいただいたなかからオレンジワインをボトルでお願いしました。このワインが美味しすぎた。スルスル飲めちゃう危険なやつです。そしてチェイサーのグラスが手描き?こういうデザイン? なんか、すごくセンスがいいんですけど。内装はもちろん器にもかなりこだわりが感じられます。
まずは、サラダほうれん草とあんぽ柿のサラダ、牡蠣のアチャール、と2品の前菜を戴く。牡蠣のアチャールは苺を合わせるという斬新な組み合わせ。スパイスをふんだんに使った香りの良いカレー料理は魚と肉の2種。天然ブリのチャパラプルスと、カシミール風、鹿児島の鹿のローガンジョッシュ。流石にカレー系の旨さは重層的で圧巻。美味しすぎてローガンジョッシュは写真を撮るのをうっかりしてしまうほど。ブラッドオレンジを散らして爽やかさの演出も抜かりない。店主の方は中目黒の cafe RED BOOKにいらしたこともあるみたい。あちらも名店ですね。
店内に流れるBBC RADIOのBGMを聴きながら、極旨のワインを片手にスパイス沼にハマる。至福。ご案内戴いた4品で十分満足だったのだけど、あまりに美味しかったので、もう1品、締めに天然ブリと菜の花の焼きそばを追加オーダー。こちらも安定の美味しさ。
ごちそうさま。いい夜でした。