暖冬とはいえ、1月ともなれば冷える日は冷えますね。寒さでガチガチになった体を温泉でほぐしたい想いに駆られます。旅館に泊まってゆっくりもいいけれど、手軽な日帰り温泉ながら満足度の高いリトリート体験ができる天山湯治郷がお気に入りです。箱根湯本から車でわずか10分。深山にひっそりと佇む湯治場のような趣が味わえます。
メイン施設の「日がな湯治 天山」は、源泉浴にこだわった様々な温泉、湯上がり処、食事処、カフェなどを備えたいわゆる日帰り温泉施設。とはいえ、建物や施設の造りも風情があり、グレードの高い温泉旅館のように気持ち良く寛げます。団体客やグループの客を受け付けていないというのもいいですね。食事処も川沿いで景色がよく、料理も上質と、かなり満足度が高いです。温泉施設はもう一つ、「かよい湯治 一休」があるのですが、こちらは檜風呂と野天風呂の2湯だけ。もちろん源泉浴。脱衣所と浴槽一体型のお寺のお堂のようなシンプルな建物で自然と向き合いながらひたすら入浴、純粋にお風呂だけを堪能する。時計すらないので、30分おきに鳴る鐘の音だけを頼りに湯につかります。無心。こちらは天山とは別料金なのですが、平日のみ数百円追加で2つの施設をはしごできます。
天山温泉郷に通い始めた頃は、湯上がり処でのんびりもしたいし、美味しいものも食べたいと、天山を利用することが多かったのですが、最近は一休が性に合うようになってきました。サウナブームも相俟って天山が混むというのもあるのですが、一休のシンプルな入浴スタイルが気に入っています。あまり混まないし何より静か。ですので、着いたらまず、敷地内のお蕎麦屋さんで蕎麦をたぐり、それから一休へ。何度目かの鐘を聞く頃には身体もポカポカです。
天山湯治郷というだけあって、8000坪もの広い自然豊かな敷地の中には、「逗留湯治 羽衣」という温泉宿泊施設もあります。こちらは本気の湯治のようで旅館気分の1泊だけの宿泊は受け付けていません。連泊が前提の泊数によって料金の設定が変わるシステム。こちらのお食事の写真が本当にヘルシーで美味しそう。食事目当てで、いつかまとまった日数で行くことができる機会があったら、のんびり逗留湯治がしてみたい。