靖国神社そばの九段一口坂にある、あられ・かきもちの専門店「さかぐち」の詰め合わせ。東京の、いえ、日本の手土産の粋を絵に描いたような佇まい。これを手土産にされる方は本当にセンスのよい人だなと思う。型絵染め作家の鳥居敬一氏が手がけた風格ある掛け紙と福助のごあいさつ状。包装紙まで抜かりなく、パッケージに身惚れながら蓋を開けるたび、息を呑むような感動がある。漆黒の薄焼き海苔巻きあられがびっしりと並べられた隣には色とりどりの吹き寄せ「一口あられ」。その対比の美しいこと。
薄焼きのあられに上質な海苔が巻かれた「京にしき」はパリパリと歯応えが小気味良く、醤油の風味と香りの良い海苔が王道の組み合わせ。一口あられは、醤油、甘味、梅、胡麻、海老、海苔が一度に楽しめる目にも可愛らしい小さな小さなあられたち。いずれも本当に美味しくて、且つ食べていて、楽しい。
一店舗主義を貫く「さかぐち」は百貨店や他の商業施設へは出店していない。故に、購入するためには九段まで出掛けていくか、自社のホームページからオンラインでの注文に限られる。あられ、せんべい、かきもちは鮮度が命なので、よそへ出店したものは鮮度管理が難しいというのが理由らしい。「あられ類は湿気が一番味を損ねます。ご面倒でも、開封後は同封のポリ袋をご利用ください。最後まで風味を損なわず美味しく召し上がっていただけます」との一言を添えてジッパー付きポリ袋が同梱されているという念の入れようです。ですが、あまりに美味しくて、いつもあっという間になくなってしまうので、心配無用な我が家でした、笑。