日本橋室町の老舗江戸前鮨
蛇の市本店でランチ握り

ずーっと気になっていた、三越前の老舗鮨、蛇の市本店。店名の名付けは志賀直哉さんだとか。以前、同じビルのイタリアン Da GOTOに伺った際に、「今度は絶対ここでランチを」と心に決めていたのに、思いのほか時間が経ってしまいました。130年を超える歴史あるお鮨屋さんですが、日本橋室町地区の再開発に伴ない移転していて、現在はとても綺麗なビルの1階にお店を構えていらっしゃいます。

ばらちらしと迷いに迷った末、握り八貫に干瓢巻きと玉子がついたランチのセットメニューにしました。カウンター席に通されたので、一貫一貫、握りたてを供して頂けます。まずは、昆布〆めのヒラメ、ヤリイカ、肉厚で艶々のホタテとテンポ良く出てきました。どれも煮切りがあっさりと塗ってあり、特にホタテはネタとシャリと煮切りのバランスが絶妙で、もう至福。その後、中トロ、周りを炙った漬けマグロ、コハダと続き、香りの良い海苔に巻かれたイクラの軍艦、最後にふわふわの穴子がこってりとしたツメをまとって登場です。こちらの赤酢のシャリは砂糖を使わず、その分煮切りやツメで味のバランスをとっているそう。すっきりとしたシャリの酸味が魚の旨味を引き立てています。シャリだけかと思ったら添えられたガリも砂糖は使ってないようで「酸っぱい!」と最初はびっくりするほど。でも、砂糖の甘味でごまかしがきかないぶん、丁寧な仕事ぶりに頭が下がります。とにかく、1貫目のヒラメの握りから最後の穴子まで一分の隙もないパーフェクトな仕事で、「ランチでこの値段でこのクオリティのものを戴いてもいいんですか?」と思うほど本当に満足度の高いランチでした。

干瓢巻き、太巻き仕立ての玉子を食べ終わる頃にはお腹もいっぱいに。風味の良いあおさのお味噌汁もとても美味しかった。どうしてもっと早く来なかったんだろうと後悔しきりで、次は、ばらちらしも是非食べてみたい、と再訪を固く誓いました。

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