SAUNTER Magazine と Ananda Chillage

仕事仲間と屋久島に行ったのはもう15年以上前のこと。いまや屋久島で一番のリゾートホテル SANKARA Hotel & Spaもまだ開業前で、そんなに宿の選択肢もない頃でした。当時、風の噂にビョークとマシューバーニーが泊まった宿と聞いてミーハー心で宿泊したのが「送陽邸」という民宿。海にせり出したテラスでいただく食事や、手作り感満載の岩風呂などオーナーのこだわりがあちこちに垣間見える古民家の印象深い宿でした。また屋久島に行きたいなとは思いつつ、そのままになって年月が過ぎました。が、出逢ってしまったのが「サウンターマガジン」。屋久島発のインディペンデントマガジンです。特集は屋久島のほか、ヒマラヤ、シエラネバダが取り上げられ、美しい自然が迫力ある写真で紹介された誌面に、コロナで縮こまってしまった気持ちが久しぶりに「旅に出たい」「どこかへ出かけたい」と素直に解放される、そんな創刊号でした。そういえば同じ年に創刊した「VOSTOK」という雑誌があるのですが、こちらはファッション&カルチャー誌。分野は違いますが、それぞれ創刊号の冒頭にメッセージされた内容は、厳しい出版事情を背景にいまこのご時世にインディペンデントで雑誌を発行することの意味が語られていて、とても共感しました。どちらも息の長い雑誌になって欲しい、そう思います。

さて、サウンターマガジン。凝りに凝った表紙は本当にインディペンデント?と疑うほど。中面の印刷しかり、ヴィジュアルの手を抜かないというのが、きっと編集長のこだわりなのでしょう。コラム陣も豪華! 3号目の表紙はコムアイ、4号目は青葉市子、5号目は高城剛と、号を重ねても勢いは衰えません。そして俄然、屋久島再訪に興味が出てきた私が、この雑誌の巻末に掲載されている広告を見落とすはずがありません。

HOTEL+YOGA STUDIO Ananda Chillage

こちらの編集長とそのご家族が屋久島で営まれるホテルです。早速、HPにアクセスしてみると、なんとも快適そうなホテルの写真が出てきます。繁華街から離れた集落にある2室だけのホテルで朝食のみがついたB&Bスタイル。ヨガスタジオも併設されています。

実際に訪れたホテルは、客室から広いお庭と遠くに海が見え、インテリアも上質でセンス良し。タオルは今治製、アメニティは全てオーガニック。Bluetoothスピーカーもあります。そして何よりお部屋完備のジェットバスに、伊マニフレックス社の高反発マットレス、ファべ社のメディカル枕。トレッキングで疲労困憊の身体にこれほど有難いものはありません。24時間出入り自由の共用リビングスペースは冷蔵庫完備で食事用のテーブルと椅子があり、朝食もこちらで戴きます。有料ですがヴィーガンのカップ麺やコーヒーのドリップパックもいつでも利用できるよう置いてありました。朝食は奥様による焼きたてのふわっふわの白いパンがお願いした時間に熱々で出てきます。これにバターとローハニーをつけて食べる幸せよ。「朝はあまり食べないので」とか言っておいて、かなりボリューミーなパンを2個とも完食してしまい前言をなかったことにしたいくらい恥ずかしかったです、笑。

宿から車ですぐの平内海中温泉は、普段は海に沈んでいるのですが干潮時間の前後2時間だけ姿を現わす珍しい温泉。混浴で水着や下着はNG(湯浴み着やタオルを巻いての入浴は可)と女性にはかなりハードルが高いです。私が行った時はちょうど夜中が干潮時間で、奥様が湯浴み着とタオル一式を貸してくださったので、それならば、と闇に紛れて行ってきました。月明かりの中、思ったより熱々のお湯が下から湧いてきます。得難い体験でしたが、私以外は全て男性で、ほぼ生まれたままの姿で岩の上で月光浴をしている人など、せっかくの牧歌的雰囲気のところへ私がお邪魔したことで、皆さんに気を遣わせてしまい「世俗」感が出てしまったのは申し訳ない限り。

オーナーご夫妻には、他にもマッサージのオススメやお店の情報など色々教えていただき、大変お世話になりました。ありがとうございました。また行きます!屋久島。

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